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on JAZZCRITIC VOL.54 SONNY ROLLINS

 
 
ソニー・ロリンズ in 盛岡

 6月10にソニー・ロリンズが盛岡にやってきました。会場のキャラホールは
ほぼ満杯、そう言えば駐車場では県外ナンバーもちらほら見かけました。ロリ
ンズはヒゲにサングラスで「亀仙人」を思わせる顔立ち、服装もけっこうお洒
落で、素敵なじいさんでした。

 「アリガトウ、ゴザイマース Ladies and Gentlemen……」のアナウンスの
後、一曲目は軽快なカリプソ。いや、驚きました。老巨匠が懐かしい曲をさら
っと披露するなんてものではなく、「キュウケイ、シマース」をはさんでの2
ステージをバリバリにやってくれました。「テナー・マッドネス」はテーマ、
ソロの全コーラスを吹きまりです。かと思えばメンバーもしっかりフューチュ
アしていて、型にはまった漫然とした演奏はなし。

 モンクには特別な思いがあるようで、「Do you know Thelonious Monk?」と
何度も聴衆の反応を確認してから、満足そうに「モア・ザン・ユー・ノウ」を
始めました。もちろん昔なつかしのナンバーだけでなく、「シゼンヲ、マーモ
リマショウ」と「グローバル・ウォーミング」を聴かせてくれました。

 テナーの鳴りそのものは往年のレコードに比較すると、もしかしたら少し線
が細くなったかな?と感じました。しかし素晴らしい歌心、たゆまざる冒険心、
そして茶目っ気。テナー一本で、あらん限りの表現を聴かせてもらったように
思います。

 ご愛嬌だったのは、ロリンズはソロをトロンボーンからピアノに回そうと思
っていたのに、メンバーはロリンズのカデンツァでお終いになると思っていて、
ぱたっと無音状態でジ・エンド。ロリンズが英語で解説していたのですが私は
聞き取れなくて、まあこんなことだと推測します。メンバーの顔が固まってい
ましたが、「ゴメンナサーイ」で次の曲へ。パーカッションの Victor See-Y-
uen が首から下げた太鼓で凄まじいソロを聴かせ、喝采を浴びました。

 メンバーはみんな、腕達者でした。トロンボーンの Clifton Andersonは柔ら
かい素直な音色で、ソロも良かったけれどロリンズとのハモリが絶妙でした。 
ピアノの Stephen Scott がソロで聴かせる息の長いフレーズ、そして Bob C-
ranshawの堅実一路のベース。特筆すべきはドラムのPerry Willsonで、スコン
と抜けの良い音でシンバルも繊細。バッキング、そしてソロも最高でした。

 大盛り上がりのアンコール、そしてスタンディング・オベイション。
ロリンズも会心のガッツポーズを決めていました。私にとって、生涯忘れられ
ない思い出になりそうです。

 TEXT by 青山正紀 | Aoyama Masanori |
<2000/6/16>

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