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on JAZZCRITIC VOL.62 BOB STENSON

 
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Bobo Stensonの新譜から想い出したECMの記憶

JAZZ CRITIC No.58に、Bobo Stenson Trioの"Serenity"が紹介されていまし
た。これは買わずばなるまいと、盛岡のCDショップに注文して取り寄せまし
た。

ボボ・ステンソンと言えば、ジャズを聴き始めて間もなくの頃、「ECMス
ペシャル」なるサンプル版が1200円だかで(レコードの値段って、妙に憶え
てると思いません?)出ていて、きれいなジャケットにつられて買ってしま
いました。それが出会いでした。

私が買ったのはピアノの特集盤で、スタンリー・カウエルやキース・ジャレ
ット、リッチー・バイラークなども入っていましたが、ヤン・ガルバレクの
「ウィッチ・タイ・ト」にはたまげました。ピアノ・ソロで始まり、ガルバ
レクがソプラノ・サックスを吹き出すまでのイントロにはゾクゾクしたもの
です。そのピアノを弾いていたのが、ボボ・ステンソンと言う訳です。

話はわき道にそれますが、あれは私が大学に入ったばかりの頃でした。それ
まではロック、特にイエスやクリムゾンなどのプログレが好きだったのです。
しかしプログレの低迷とパンクの台頭がロック界に押し寄せて来て、私はあ
のノリには到底ついていけなくて頭を抱えておりました。そこにECMがぴ
ったりはまってしまったんですね。

さて、「セレニティ」は2枚組であります。このCDケースは1枚分の厚み
しかなくて、誰が考えたのかは知りませんが傑作、特許モノです。意外だっ
たのはライナーで紹介されていたマンフレット・アイヒャーの、「キース・
ジャレットがいた頃のチャールス・ロイド・クヮルテットは最高だった。い
つか自分の手でロイドを自分の手で録音しようと思っていたんだ」との言葉
です。チャールス・ロイドは1枚聴いて、あの音色が何とも好きになれずに
処分してしまいました。たまたまハズレだったのかも知れないけど、これに
こりてボボ・ステンソンが一緒に吹きこんでも、手を出さずじまいでした。

「セレニティ」は期待通り、素晴らしい内容でした。研ぎ澄まされた、余計 な音が一つもないピアノです。こんなプレイをして、この人は死んでしまう んではないかなどと余計な心配をしてしまいます。もう、聴いてくださいと しか言えません。ありきたりの4ビートは聴きたくない人、キース・ジャレ ットは好きだけれど食傷気味の人、ジョン・テイラーが好きな人にはお勧め です。ところで、ヨン・クリステンセンはECMのハウス・ドラマー的存在 ですが、私は今までは「目立たなくて邪魔にはならない人」くらいの評価し かしていませんでした。しかしここでは光る、良いプレイをしています。お そらくはECMの昔の録音が、ドラムが引っ込んでエコーたっぷりだったせ いだと思います。長くなりましたので、他のボボ・ステンソンが参加してい る録音について、いずれまた書いてみたいと思います。 text by 青山正紀 | Aoyama Masanori | <2000/9/24>

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